4月7日 懐疑

「らぴは酒の飲み方きれいだね」

前に担当してた東海エリアのセレクトショップのオーナーから新幹線の終電までよくお付き合いさせられた

オレ「きれいってナンですか?」

オーナー「らぴは酒飲んでも仕事の愚痴こぼさないし会社への不平不満言わないだろ?飲んでてこっちは楽なんだよ。」

オレ、楽しい酒の飲み方出来ないし、駆け出しの頃なんて逆にお取引先の忘年会とかで一発芸やって販売員の女性にウケまくって人気者になってる同業のアパレル営業見て羨ましかった気がする

最近やたらと同業のアパレル関係からの夜のお誘い多い

先週の金曜は大手W社の元北海道エリア担当と

「らぴさんとうとううち、卸部隊で100億切りましたわ」

オレ絶句

らぴがアパレル入った頃は確か2000億はあったかと思う業界最大手

北海道エリアの営業だけでも20人近くいて、らぴはその連中相手に一人で奮戦、W社殺しって同業から言われるくらいシェアを食ってた

オレ、実はW社の営業みんな大好きだった

業界の先輩方の酒宴の話題と言えば「ゴルフに麻雀、外車」って決まってて洋服の話題なんてこれっぽっちもない

近付きたくなかったっていうか嫌悪したね

その点、W社の営業は夜の席で唯一ファッションを語ってた

そのW社もセレクトショップ相手の卸から直営小売りに大きく転換、とうとう北海道エリアでさえ営業一人で回ってる

人柄の良さでセレクトショップに可愛がられた彼でさえたぶん売上確保に苦戦してるんだろう

寂しそうだったな

昨日は朝、大手セレクトショップの元部長から突然連絡入った

時間なかったから会社にお呼びして4年ぶりの再会

聞けば古巣のチェーン店、第2次リストラがあるらしい

その方は定年でハッピーリタイア、翌年にその会社は大リストラがあったからギリギリセーフだった

今はOEM別注で飛び回ってるらしいから「らぴの名前出していいですから」って馴染みのセレクトショップご紹介

「らぴ、仕事の話はいいからホントは夜一緒に飲みたかったんだけど」って言うから近々お誘いする約束した

この前出張時に会った日本海側担当のセレクトショップ相手のアパレル営業

「らぴさん、新潟東堀においしい焼鳥屋あるから今度一緒に飲みましょうよ」

彼は30代半ば、たぶん言いたいことはわかってる

口に出して言わないけど誰もがこのファッション業界の行く末に懐疑的になっている