7月30日 売家

ため息も出ない夏物セール終盤

暑すぎてお客様が出てこないとか色々言い訳はあるんだろうけど…


結論から言えばセレクトショップの売上不振は今月もまた、っていうかまだ続いてる

負の構造はいずこも一緒

6月中旬過ぎのフライング気味の顧客優待セールで売上一息ついたものの月末から7月はじめの一般客セール開放がアレっ?て思いの他に客足伸びず

最後の切り札50%オフも売れるのは単価の低いTシャツやチュニックブラウス、クロップドパンツばかり

3、4月の寒さで販売期間ぶっ飛んだ地厚な春物ジャケットなんて何割引になっても買わないだろう

暑中見舞いの「貴店益々ご繁昌のことをお喜び申し上げます」なんて無神経なこと書いたら殺されんじゃないかって思わなくもない



昨日まで日本海側に出張


なんていったらいいのか書くのも難しいこの気持ち


失礼な言い方かもしれないけどここらへんに住んでいる人たち「洋服着る必要あるんだろうか」って思うくらいの田園風景


北海道のひとけのない過疎地みたいな風景じゃない

どこ車で走っても1軒家は続いてて、やっぱり米どころは違うなって感じるんだけど

でも道すがら

ない…


ブティックはおろか薬局やメガネ屋や八百屋、食べ物屋にいたるまで商店街を構成していたお馴染みのメンツがまるっきりない


そりゃ郊外型スーパーがあるところならどこでも見る光景だろって?


でも違う


車で20キロ走ってもスーパーすらない市や町


昔の宿場町、商店街がシャッター通りならまだわかるけど

ここらへんは一軒家ばかりだからシャッターなんて付いてない

シャッター閉まってるんじゃなくて家そのものが丸々売りに出てる


出張の最終日は名の知れた温泉地

その地域で最初に宿を開いた源泉掛け流しの名門旅館だったけど宿泊はらぴの他に1組

夜中に着いて風呂に入ったらシャワーが付いてるのが2つだけ

元湯ってだけでお客が来たのはいつの時代までだったんだろう

当然ながらトイレも和式


ひなびた旅館も風情があって嫌いじゃない

でもとてもじゃないけどシロガネーゼのヨメなら耐えられないんだろうな


売家、夏休みなのに遊んでる小学生を見かけない町

どれもこれも今の日本の原風景


あと数年経ったら地方はどうなるんだろう


入浴した風呂場にへばり付くゴキブリ一匹さえも愛しく思う出張最終日の夜だった