３月２１日 前へ
怒ってた
セレクトショップのトップが営業を集めて退社すると発表した
あの日からずっと今の今まで
前月まではその方もまさか自分が退社することなど考えていなかったはず
昨日が会社の本決算、業務を終えてから送別会
本人は「売り言葉に買い言葉」で退社を決めた社長とのやり取りのことは
送別会の場でまったく話さなかった
最後の挨拶で「今年で入社３０年、会社が好きだった」と言って
今の東京店にはいない明るいキャラの関西人が退社した
１年間、指示らしい指示を出さずに全面的に俺を信頼してくれた先輩が去った
ただそれだけのこと・・・
俺のヨメは外資系証券の企業分析アナリストだった
トップにアポを取って取材、将来性ある会社を「ストロングバイ＝買い推奨」
とかやっていた
欧米の外資系を渡り歩いていたから外資のシビアさを俺によく話していた
２期赤字が続こうものならトップはおろか経営陣は総退陣
株主の圧力がそれほど強いってこと
ヨメは呆れていた
「らぴの会社の業績が伸び悩んでいるのは経営陣の打ち出す方針が誤っているのではないか。
責任を誰一人とらず、実行部隊の営業のみ首切りするお友達経営陣の『資質』そのものに疑問をもつ」
結婚した当時、日経金融新聞に顔写真付で企業分析記事を書いていた元アナリストが
辛らつなコメント
ｗ
数日前の朝礼で新年度の組織が発表された
東日本、西日本、九州の統括店長が発表されたあとに組織図が張り出された
自分がどこに配属されたか見ようと群がる営業マンたち
俺一人、その群がりを冷ややかに見ていた
もうどうでもよかった
どこに配属されようと
どんな役職だろうと
知ったことじゃなかった
朝礼が終わった直後、新任のセレクトショップ営業トップが来て
「らぴ、ちょっと」と別室に。
新任トップが言いづらそうに「悪かったな。気分悪くしたろ？」
組織図を見ていない俺、なんのことかわからなかった。
一瞬、降格かと思った。
俺個人の成績ではトップクラス、でも期の最初に部下の営業マン退社したと思ったら
今度は期の終わりに違う営業が異動させられて営業担当不在のエリア、時期があって
課長としては満足いく数字があげられなかったから
らぴ課の数字はガタガタ、課長降格もやむなしか・・
無表情の俺をみて新任トップが続けた言葉は意外なものだった
「本当はらぴを部長に推薦したけどトップに蹴られた」
俺「・・・」
両目が涙で曇った
部長になれなかったのが悔しくて、じゃない
俺たち営業は使い捨てか、っていう感情が湧いてきたから
伏線がいくつかあった
去年の６月５日、俺と担当デザイナーが３０分にわたって怒鳴りあいしたって
このブログに書いたブランドの廃止が決まった。
そのブランドが立ち上がってから一番営業で販売したのが俺。
でも途中でターゲット年齢やブランドティストまで一方的に企画変更したから
苦労して開拓したセレクトショップのお取引先が壊滅状態に
でも廃止決まったブランドの企画トップやそのデザイナー、会社クビになるわけじゃなし
あっけらかんとしている
物流センターにいた数日前のこと。
あるお取引先から俺の携帯に連絡が入った。
今年販売したファー付きのキルティングコートをお客様がクリーニング店に
出したらしい。
洗濯表示が「ドライ・手洗いとも不可」になっていて受け取り拒否された、
とクリーニング店の軒先でそのお客様から怒りのクレームが入ってる、と。
あわてて生産部に確認したら「表示に誤りはない。ファーは洗えないから毛皮屋に持っていって相談するように」
俺、絶句。
たかが非ウールの５万もしないコート、それを毛皮屋に持っていって１万近く出してまでクリーニングするのか。
何回か生産部とやり取りして表示が誤っていることがわかった。
俺「お客様がクリーニング店で怒ってるからそのお取引先に電話一本入れて」
生産部のトップ「クレーム報告書書け」
俺、絶句・・
目の前でお客様が怒っている。流行のクレーマーじゃない、まっとうな消費者。
俺の取引先、とっさに気転をきかせて自腹覚悟で「クリーニング代うちが持つから」と
コートを預かって助かった。
営業も多かれ少なかれこんなことをやってる。
展示会日程が急きょ変更になった。
航空運賃の高い北海道エリアのお取引先、予約変更できない代わりに割引率の高い航空券を一ヶ月も前から購入しているからメーカーの都合で展示会日程変更って言われたところで高い航空券を買い直さない限りご来社いただけない。
当然、怒りの電話が入る。
俺とっさに「航空券の半額、会社が持つから」とｗｗ
まあ自腹ですよ。
こうやって俺たち営業はお取引先の信頼感を守ってる
それが数字あげられないからって営業幹部簡単にクビにする会社、経営陣の誰一人それを止められない会社って・・
企画、生産でクビになった人間聞いたことがない
涙で曇った両目の向こうに何が見えるのか
今の俺にはわからない
１週間、ブログ休んで本当によかったと思う
