5月4日 頼み

裏返せ 俺を
俺の中の畠を耕せ
俺の中の井戸を干せ
裏返せ 俺を
俺の中身を洗ってみな
素敵な真珠が見つかるだろう



ゴールデンウイーク

息子のタカが3月に骨折、ようやくギブスは取れたもののまだ松葉杖ついてるから
遠出はできず

今日はなじみの王子の北区立中央図書館へ


タカはさっさと読みたい本を数冊選び出して静かに読んでいる

自分の時間を作るならここが一番


日本文学の一番奥にある現代詩コーナーから取り出した野村喜和夫・城戸朱里編の
「戦後名詩選1」を読む


席を取るのも大変なくらいたくさん人がいるけどシーンと静まり返っている

ここでは読み疲れた時に飲む100円のカップ珈琲も美味しく感じる


幸せなんてほんの一瞬


最近寝るたびに思い起こす


トシ喰って仕事辞めたら何も考えなくていいここで一人で一日過ごそう


それが俺の幸せかも


裏返せ裏返してくれよ俺を
俺の中のうその真珠はくれてやるから
裏返してくれ裏返してくれよ俺を
俺の中の沈黙だけはそっとしといて
行かせてくれ俺を

俺の外へ
あの樹蔭へ
あの女の上へ
あの砂の中へ


谷川俊太郎「頼み」